コレクションケースの照明を創る

 最近、LED照明付きの多段コレクションケースが増えてきました。沢山のコレクションを一度に収納でき、同時に鑑賞もできて便利ですが、収納箱に照明を付けただけの商品がほとんどのようです。照明は光ればよいというものではありません。せっかく照明を設けるのですから、中身を美しく見せるようにしたいものです。今回は照明を含め、鑑賞にふさわしいケースの構成を考えます。

 

ディスプレイケース内部の色と光源の配置

 照明は写真撮影と同じ原則が当てはまります。最低限2灯=フィルイン、メインが必要ですが、これに出来るだけ近い照明を狭いケースの中で作り出すのことが目標です。 具体的には、コレクションケースの形状に応じて次の方法を選択します。

 

方法1
 バータイプのLEDを使い、下の図のように各棚の天井面の手前に取付けます。背景は黒(できれば無反射)とし、両サイドにホワイトの反射面を設置して間接光を作り出します。ホワイトの反射面はケント紙かデコパネ(後述リンク)をカットして貼り付けます。天井(LEDを設置する面に)は光が届きませんので反射面は必要ありません。任意の色でOKです。
 底面は黒にするとコレクションが引き締まります。無色透明のガラス棚が沢山ある場合は途中を透過にしてLEDを2~3段おきに設置しても良いでしょう。

caselight1

 

 右図のようにLED手前に高さ5~7cmの反射フードを設けます。反射フードはプラスチック板や厚紙を切ってLED側面(ホルダーなど)に両面テープで貼付けます。LED側にアルミテープを貼り、表側は棚板と同じ色か、艶消し黒がよいでしょう。このフードは効率よく光を利用すると同時に、LEDの光が直接目に入らないようにする効果もあります。
 黒の部分にハイミロン(後述リンク)を使うと無反射の黒を実現できます(私がいつも撮影で使っている背景布です)。

 

方法2
 コレクションケース側面の前端面にバータイプのLEDを縦に設置します。LEDには上記同様、フードを併設します。LEDの対角側面と天井面にホワイトの反射面を設置します(LEDを設置する面には必要ありません)。
 この方法は棚板の間隔が狭く縦に長いディスプレイケースや、中央に仕切りがあって方法1が使えない場合に有効です。
 この方法の欠点はコレクションに対し下からも光が当たることですが、各棚の底面付近の発光面に白い半透明テープ(養生用テープ、マスキングテープなど)を貼ることで好ましくない方向からの光を抑えることができます。

 下の図は左片方にLEDを設置する例です。LEDの左右の位置はケースに入れるコレクションの正面(フィギュアなら顔の向き)に合わせる必要があります。側面がガラスになっている場合はLED設置面を日中明るい方へ向けて自然光を取り入れるとよいでしょう。 

caselight2

 
 ディスプレイケース中央に仕切り板がある場合は光がカットされてしまいますので両サイドにLEDを設置し、天井と仕切り両面をホワイト反射面にします。
 仕切りが無い場合の両サイド照明では左右同じ明るさにせず、どちらかの光量を落としてください。電圧切り替え可能なACアダプタを使うか、LEDライトの前面に白い半透明のテープを重ねて貼ります。

 

方法3
 棚板天井面と両サイドに光源を設置して3灯の光の強さを調節します。例えば棚板をメインライトととし、サイド左をその1/2、サイド右を1/2~1/4とします。贅沢な方法ですが、どのようなコレクションにも対応できる最高の方法です。

 

 

光源の色温度

 ArtDesignでは作品の鑑賞に最も適した光源の色温度を5000Kと規定しています。この色温度は物の色が最も自然に見えます。ArtDesignでは製作時もこの光源を使っていますので、作品を意図通りの色調で鑑賞することができます。

 光源の色温度を揃えることは最低限とし、その上で「演色性」も気にしていただきたいと思います。色温度を揃えても「演色性」によって色が違って見えることがあるからです。演色性は「Ra」で表現され、Ra80以上であれば問題ありません。
 それと、発光面に乳白色のカバーが付いたものを使ってください。透明カバーでは不自然な影が出来てしまいます。
 バータイプのLEDでこの条件を満たす商品はとても少ないですが、比較的安価な商品がルミナス(ドウシシャ)から販売されています。

DSC01493a ルミナスLEDスリムバー。色温度5000K、Ra80。マグネットキャッチを貼ることでガラス製の棚板にも設置可能。コレクションケースに最適な照明です。24cm,56cm,84cmの3種類あります。ACプラグが1.3cm出っ張りますのでギリギリの場合注意してください。

 2灯以上で使う場合は明るさの調節が必要になります。電圧を切り替えて使えるマルチACアダプターを使うとよいでしょう。

 違った色温度の照明が混在すると不自然ですので、できれば室内照明の色温度も5000Kに合わせてください。「ナチュラル色」「昼白色」として売られている電球が適合します。

 

 

ディスプレイケースを選ぶ

DSC01495a 市販の専用ガラスケースもしくは、ガラス扉付きの木製ケースが適しています。サイドがガラスのものは日中明るい方から自然光を取り入れ、反対側をホワイトの反射面にするといいでしょう。
 ケース外装の色はダークブラウンが良いです。

 写真は光源や反射の位置、フードの最適サイズなどを調べる機能実験をしている様子。ケースはレコードラック。背景と底面が黒で中央に仕切り板があります。

 

 

<参考購入先>
コレクションケース
ハイエンドコンパクトカメラ Web公開用フィギュアの撮影はこれで十分
アルミテープ
Pカッター プラスチック板を綺麗に切るためのカッターです。ハサミでジョキジョキはNG
デコパネ ホワイトの反射面を作るのに使います
ハイミロン ほとんど表面反射のない布。小細工なしで黒ベタにできます
昼白色の電球 国産大手メーカー品を選んでください

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フィギュアの撮影ブース

 

注:本記事の無断商用利用はご遠慮願います。本記事の公開日以降に出願された特許はすべて無効です。商用利用をご希望の方はこちらをご参照ください。

 

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